住環境資料室
高千穂の技術情報
- 開発者たちの物語:開発者インタビュー
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「化学物質を含まない【自然素材】で建材を創る」
このポリシーのもと、何年も何年もかけて作り上げた、高千穂のシラスの壁「薩摩中霧島壁」
そこには、ゆるぎない信念をもった開発者たちの物語がありました。
◆新たなる難問
次の難問は色だった。
内壁、外壁に使用するには、デザイン性も必要だ。
塗った後も、褪せずに残り、かつ自然な素材の色を探さなくてはならない。
また、寒い地域、熱い地域、湿度の高い地域、それぞれの条件下でも安定して施工するためにはどうしたらよいか。難問は次から次と出てきた。
開発作業には他の困難にも見舞われた。
増元も左官職人のA氏も、この作業だけを毎日行っていたわけではない。
それぞれに自分のやるべき仕事を持っている。その合間に時間を見つけては、こつこつと作業を進めていたのだ。
A氏は、長年左官の仕事をしており、経験も豊富だ。しかし、新しい素材を使い、商品を開発していくとなると、経験則では計り知れない部分も出てきてしまう。
増元達とA氏はぶつかる機会が増えていった。
もともとは「心意気」で参加してくれたA氏だったが、本業の忙しさもあり、開発の作業から離れることとなってしまった。
左官職人がいなくては、この開発は成り立たない。
「1週間で別な職人を探して来い!」社長の新留の言葉は厳しかった。
増元は、急ぎ次の職人を探さなくてはならなくなった。
『忙しい自分の仕事を抱えた傍ら、こんなゴールの見えない開発作業に付き合ってくれる職人が他にいるのだろうか?』
不安な想いを抱えながら、増元は、リストを片っ端から当たっていったのだった。
◆商品化へ・・・
うれしいことに、左官職人の蔦氏が参画してくれることとなった。
その後、蔦氏の協力を得てさらに開発を続け、平成10年(1998年)ついに商品化のめどがついたのだった。
当初の誓いどおり、100%自然素材のみを使用。
シラスを主原料にした新しい建材の誕生だ。
商品の名前は、シラスの大地の名称をもらって「薩摩中霧島壁」とした。
鹿児島の『霧島町』のシラスがこの壁を作っている。
商品化にあたっては、更なる試験を重ねていった。
全国で利用してもらうための、耐久試験だ。
気象条件、温度差のある場所で利用してもらってこその商品だ。
各地でモニタリングしてさらに改良を重ね、各条件による施工方法の研究を進めていった。
そんな中、平行して行った商品化に伴う規格調査により、シラスの底力を知ることとなる。
◆「呼吸する壁」の誕生!
開発時、頭を悩ませあの『多孔質』が思わぬ効果をもたらしていたのだ。
「薩摩中霧島壁」を施工した部屋にいると、何ともいえぬ清涼感を感じる。
化学素材のクロス壁などでは味わえない、快適さだ。
「薩摩中霧島壁」は、通気性が他の素材に比べ、抜群によかったのだ。
専門機関に詳細を調べてもらうと、次のような特性がわかった。
多孔質という特性と二酸化珪素などが調湿効果を発揮し、またアルミナとも相まって消臭効果や殺菌効果を発揮し、さらに断熱効果もあり、外部の暑熱を伝えにくい性質を持っていることがわかったのだ。
その上にイオン交換機能もあり、最近話題マイナスイオンも発揮することも明らかになった。
なんということだ。
やっぱり、我々の想いは間違ってはいなかった。
自然素材はこんなにもすばらしい特性(*1)を持っているのだ!
これで、アトピーや頭痛などのシックハウス症候群に悩まされることもなく快適に過ごすことのできる住まいを造ることができる!
お客様に喜んでいただける。
数年間にわたってこつこつと開発をしてきた成果が報われたように思えた。
その後、特許も申請し、シラスの良さを認知してもらうために、広く広報活動を始めた。
業界でも話題となった。
真っ先に「日本住宅新聞」にも取り上げられた。
そして平成11年(1999年)、製造直売として、販売を開始した。
現在、高千穂では、外壁用としては「白洲そとん壁」「中霧島壁ライト」、たたき用として「白洲土タタキ」等を開発。用途に合わせた細かい商品作りを進めている。
- *1すばらしい特性:
- 高千穂では、材料精製時に、二次焼成せずにシラスそのままの形で利用しているので、特徴である多孔質構造を壊さずに、その効果を最大限に発揮させることが可能となっている。(特許取得済)
※主な特徴- 消臭効果
- 殺菌効果
- 断熱効果
- 消臭効果
- マイナスイオン効果
- 紫外線の色あせに強い
- 雨風などの化学変化に強い
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