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住環境資料室

住の快適感 2)木綿と綿
木綿と綿

住環境の快適さにかかせない「木綿と綿」についてのレポートをご紹介します。


1.木綿と綿

昔は木綿という言葉をよく聞きましたが、最近では綿あるいはコットンと呼ばれています。

木綿というのは、絹に対して質素な布地の代名詞でした。昔といっても、そんな昔ではない頃でも"木綿のハンカチーフ"という歌が流行しました。東京に出て行く恋人が、都会に染まらないで、帰ってくるときは、木綿のハンカチーフをお土産にという女性の気持ちを歌ったものです。

ここにおける木綿も都会という華やかなものに対して、木綿という言葉が質素なもの(田舎的なもの)の代名詞として使われていると思います。


2.合成繊維の登場による綿への価値観変化

1935年に米国のデュポン社で、ナイロンが発明されてから、アクリル繊維、ウレタン繊維、ポリエステル繊維などの合成繊維が次々と世に出されてきました。ここでは、ポリエステル繊維を例にとって、その発展を簡単に述べます。

ポリエステルは、正式な材料名はポリエチレンテレフタレートと言います。いわゆるPETで、PETボトルをリサイクルして、PET繊維に戻し、最近ではフリース等の素材にすることが話題となっています。

1980年代にポリエステルは、新合繊と呼ばれる極細で、異型断面を持った合成繊維の代表的なものとなりました。最初のころは、絹に近い三角断面が実現し、人工絹とも言われていました。その後も、各社はより細く、いろいろな断面の繊維を世に送り出し、その中でも特に日本が先行しています。この新合繊は、開発途上国との繊維製品の流入に対して、日本でしかできないものとという位置付けとなっています。そのような新合繊で、ネクタイ、スカーフなども作られました。これは絹の代替品です。

しかし、本物の絹のほうが高級であることは明らかでした。また、ポリエステルでワイシャツやズボンも作られました。ワイシャツは形状記憶ワイシャツ、自宅で洗濯できるワイシャツとして注目され、綿と競合する場面もありました。しかし、ポリエステルには大きな課題がありました。それは、他の合成繊維でも多くは共通しますが、汗を吸わないことと、静電気の問題です。

そのような訳で、現在のワイシャツにおいては、一般的に綿100%のほうが高価であり、一部ポリエステルを用いたものが使われています。スーツの裏地もキュポラ(再生天然繊維)のほうが、ポリエステルのものより高級とされています。これらのポイントは、吸汗性です。特に夏は重要な特性となります。人間の肌に湿気が抜けないのは不快なためです。
木綿は、かつて高値の花であった、絹をも凌駕しようとした新合繊との比較において、木綿から綿という自然素材の良さを訴えることができました。木綿から綿に変わったと言えます。これは人間と水の関係が重要であることによります。



3.合繊、特にポリエステル新合繊について

ポリエステルなどの合繊は、親水性が無い、このため汗を吸わない、静電気が起きるというのは宿命的なことです。
自動車のシートもポリエステルが多いので、静電気が起きます。
しかし、新合繊の特徴(極細、吸水性が小さい)を使って、スキーウエアなどの透湿防水製品、メガネ拭きなどに使われています。綿で、水着をつくることができないのはこのためです。



4.使い分けと組み合わせ

このように、天然繊維と合成繊維は、それぞれの特徴を生かして使い分けられているし、それぞれの特徴を上手く組み合わせた商品もあります。例えば、綿60%、ポリエステル30%の形状記憶ワイシャツなどです。



5.木綿と綿

長々と述べて来ましたが、絹に対して木綿という価値観から、ポリエステルに対して綿という価値観に変わってきました。
絹も勿論、天然繊維ですから水を吸いますので、絹のハンカチーフに対して木綿のハンカチーフという位置付けは変わりませんが、綿というのは、人の体に直接触れる肌着、パジャマ、ワイシャツとしては実に適した繊維と言えます。現在では、細くしなやかな綿も開発されてきました。



6.建材としての自然素材

そのような理由で、当社は、人がやすらいだ気持ちで暮らせる家の素材として、化学物質に頼ることなく100%自然材料にこだわっています。

自然材料は、水、湿気を吸い、空気が乾くとまた吐き出すなど、綿と同じような働きをもっています。そういう意味では、スマートな人工建材に対して自然素材の土壁などは古いものと思われてきました。

しかし、近年の自然素材への関心の高まりは、人本来の価値観により、天然回帰として自然な流れの再認識が起きているものと考えています。





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